苦しみの意味 その1

2013.11.29 Friday 14:31
0
    この仕事を17年続けてきて思うことは
    相談者の悩み、苦しみ、そしてその症状は
    その人独自の特有のものであり
    決して精神医学の見地からカテゴリー分けした
    障害名などで分類できるような単純なものではなく
    またその回復の過程も
    一様ではないということです。

    また相談者が回復するとしたら
    それはまず何よりも相談者が変容することを
    望んでいるからであり
    そしてそれは相談者しかできないことである
    ということを前提にとりかかることが
    とても大切なことだと思っています。

    そのために私ができることといえば
    月並みではありますが
    やはり何をおいても
    まずは相談者の話を丁寧に傾聴することだと
    思っています。

    そしてそのことがいかに大切であるかは
    なかなか理解してもらいにくいところですが
    そうはいってもやはり
    話すということには
    とても深い意味があると思います。

    ひとつは
    相談者が話すことを
    興味を持って共感的に傾聴することで
    相談者は自分の感じていることを
    受け容れられるという安心感を得ます。
    そのことによって不安が軽減し
    固く閉ざされていたこころが
    ゆくり開かれていくことになります。

    またこちらからの質問によって
    相談者は自分のこころの内側を見つめ直し
    それを言葉にすることによって
    こころの中を整理しながら
    自分というものを知ることができます。

    そうすると自然に
    抑圧が意識化され
    そのことによって内省化も促されます。

    そしてそれと同時に
    今までの概念、
    言い換えるとこころの防衛システムを
    壊す必要性が生じてきます。

    これを変容のプロセスといいますが
    それまでは
    カウンセリングを受けるたびすっきりして
    こころの循環がよくなり
    だんだん楽になっていく感じがしていたはずなのに
    このプロセスにさしかかると
    相談者は不安定な状態に陥ることが
    よくあります。

    相談者にしてみたら
    今まで無意識下で抑圧されてきた自己が
    出口を求めて勢いを増してきているにもかかわらず
    何年もその自分を抑えることで
    自己を防衛してきているわけだから
    それを緩めたり壊していく感覚は
    ある意味とても怖いことでもあるのです。

    ゆえに自分が壊れていくような
    あるいは自分が自分でなくなっていくような
    いてもたってもいられない
    不安や焦燥感に襲われたりすることもよくあります。

    それは相談者にとって
    もっとも苦しい時期であると同時に
    私はその時こそ変化することができる
    チャンスの時でもあると思っています。

    しかし相談者にしてみれば
    苦しいものは苦しいわけですから
    ここでは大きな壁を感じます。

    されどその苦しみには意味があるのです。
    では一体どんな意味があるのか・・・

    ちょいと長くなりそうなので
    この続きは明日のお楽しみということで
    よろしくど〜ぞ!



    養老アマゾン探検ツアー 参加者 かなちゃん













     

    楽に生きるには その2

    2013.11.20 Wednesday 17:35
    0
      体が紐に繋がれたまま
      いくら前に向かって歩こうとしても
      それはただもがいているに過ぎず
      ゆえにいくら頑張っても前に進むことは
      できません。

      過去に囚われたままの人は
      こころがそういう状態にあると想像すれば
      いかに生きることに多大なエネルギーを
      消耗しているかがよくわかると思います。

      このような人は
      たとえ社会的に、あるいは肉体的に大人で
      あったとしても
      精神的には幼児のようにとても傷つきやすく
      また被害者意識も強いものです。

      なぜなら幼少のときに自分のことを
      「わかってほしい、認めて欲しい、
      愛してほしい」
      という切なる思いが
      親によって十分に受け入れられなかった
      ことによる痛みが
      怒りとなってこころの底にあるからです。

      そして
      そのような怒りがしこりとなったまま
      大人に成長すると
      いつのまにか親以外の他者にも
      自分の気持ちがわかってもらえなかったり
      自分のしたことを賞賛してもらえないと
      そのことに敏感に反応し
      そして傷つき嘆いて
      さらに恨んだりすることになります。

      しかし大抵の場合、
      その本人は過去の痛みによる怒りが
      心理的成長を止めるブレーキになっていることに
      気がついていません。

      ゆえに
      愛されることだけをひたすら頑張り続けます。

      また愛されているかどうかの確認をしないと
      不安です。

      なぜならそれは
      受け身で生きているということなので
      その人にとって他者の反応は
      常に重要であり時には脅威にも感じられます。

      それはまだ愛する能力がないゆえ
      愛されることだけを必要とする
      こどものこころと同じだと言えます。

      しかし本来
      人というものは愛する能力が備わった時に
      始めてこころが安定するものなのです。

      そして人を愛するということは
      そのように能動的なことなので
      過去に起きたことによるネガティブな感情から
      自分が解放されていなければなりません。

      少しでもこころを楽にして生きるには
      過去のよくない出来事から何かを学んだら
      その後はその過去を水に流すことができると
      いいですね。

      ではそのことが本当にこころを楽にするのか
      一度その感覚を体験してみてください。

      さてでは
      両手を拳骨にして思いっきり力を
      入れてみてください。

      爪が手のひらに食い込むほど
      強く力を入れて、

      もっともっと力を入れて、

      そして今度はぱっと手を開いてみて
      その感覚を味わってみてください。

      どうですか?
      すでに肩のあたりから楽に感じませんか?

      過去を水に流すという感覚は
      このように気持ちのいいものである
      ということをぜひ心に留めておいてください。




      今日からしばらく、こどもの森 ワークショップ
      「養老アマゾンを探検しよう」の写真を掲載します。
      (^^)





















       

      楽に生きるには その1

      2013.11.13 Wednesday 18:36
      0
        年をとることは
        悪いことばかりではないと思います。

        なぜなら
        年をとることによって
        自分のサイズがだんだんわかってくるからです。

        それゆえ
        若い時のように背伸びをしたり
        自分を必要以上に大きく見せることに
        エネルギーを遣う必要がありません。

        そういう意味ではだんだん楽になってきた
        ように思います。

        しかし中には
        年を重ねても
        必要以上に自分を隠し
        また大きく見せることに
        エネルギーを遣い続けている人もいます。

        よく言う「世間体をとても気にする人」などは
        自分を装うことにかなり神経を消耗している
        人達ではないかと思います。

        それはある意味怖いことです。
        なぜならそのことによって
        実際の自分を否定し続けなければ
        ならないからです。

        またそれは
        ありのままの自分は
        他者によって受け容れてもらえない、
        あるいは好かれないという思いが
        出発点ですから

        他者に自分を装えば装うほど
        肝心の自分はますます
        自分のことが嫌いになっていきます。

        でもよくよく考えてみたら
        自分以上に自分のことを大切に思う人は
        いないはずです。

        ゆえに
        自分によって自分が愛されていなければ
        いくら他者に装うことを頑張っても
        決してこころは満たされません。

        人は誰かのことを
        特別頭がいいから好きになるわけではなく
        またお金持ちだから好きになるわけでもない、
        あるいは容姿がすぐれているからというだけで
        好きになったりするわけでもありません。

        本当にあなたを好きだという人は
        それはあなただからなのです。

        そしてそれを感じるには
        偽りのないありのままの自分を
        オープンにすることだと思います。

        では今日の最後に
        ギリシャ神話の「オイディプス王」から


        自ら招いた苦しみは一番痛い。

        「お〜痛たた」とならないように
        そのまんまの自分を生きたいものです。





        トランクこどもの森からのお知らせ
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        絡み付いた関係

        2013.11.06 Wednesday 15:42
        0
          こどもは自分とは違う人間である
          ということをこころのレベルで
          理解できない親は
          こどもがいくつになっても
          こどもに絡みついたままの関係を
          維持しようとします。

          たとえば
          こどもに自分と同じ価値観を強いることで
          生涯にわたってこどもの人生にあれこれ干渉
          します。

          こういう親にとっては
          こどもが自分とは違う意見や考えをもつものなら
          それは自分が否定されたことと同じですから
          彼らの価値観からはずれているものであれば
          必ずこどもを否定します。

          またこどもが自分達とは違う考えの生き方をして
          それによってこどもが失敗などしたら
          あたかもこどもに裏切られたように感じたりします。

          ゆえに
          こどもが一番勇気や励ましを必要としている時には
          愛情を引っ込めて
          それどころか
          そのことを責めたり、怒ったり、
          あるいは嘆いたりして
          こどもに罪の意識をもたせます。

          大抵の場合は
          「親の言うことを聞かなかったから
          こういうことになったんだ」というでしょう。

          または過剰に手を出し過ぎて
          親がいなくてはだめな子であるということを
          思わせてしまいます。

          こどもはそういったやり取りを
          繰り返されることによって
          親の願望通りに生きられなかったから
          愛情をもらえなかった自分として
          自己を認識していくため
          自己肯定感の低い大人になります。

          もしあなたが
          自分で何かを決めることが
          いつも難しいと感じているなら

          あるいは
          いつも自分は頑張っていなくては
          価値がないと思っているとしたら

          そのような親との関係性によって
          あなたはいまだ親の概念に縛られたまま
          の状態にあるかもしれません。

          もしそうだとしたら
          親との絡み付いた関係から
          自分を解放する覚悟が必要だと思います。

          親の幸せを生きるのではなく
          自分の幸せを生きていいのですから。

          だってそうでしょ?
          そもそも親の幸せとは
          こどもが幸せであることのはずです。

          だから何も恐れず
          自分の方法で幸せを追求すれば
          いいと思います。

          それで親が嘆き怒るとしたら
          それはあなたのせいではなく
          こどもは親の言う通りにすべきであるという
          親の身勝手な考えから生まれた感情だからです。

          しかもそれは
          ある意味、非常に無責任な考えです。

          ゆえにそのような親の感情に
          責任をもつ必要はありません。

          それよりもあなたに責任があるのは
          自分の感情です。

          どのような生き方が
          自分を幸せにするかは
          あなたが決めることなのです。

          またこどもを
          自分のものと思っている親の考えは
          恐らく永久に変わらない
          と思った方がいいでしょう。

          今まで親に認めてもらいたくて
          頑張ってきた人は
          もうそのことを頑張り続けるのはやめて

          これから先は、親の概念ではなく
          自分のこころに正直に生きることを
          頑張ってみてはどうでしょう。

          そうすることで
          絡み付いた関係が
          少しづつ正常に戻っていくのではないか
          と思います。






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          パニックで悩んでいる人へ

          2013.11.02 Saturday 16:28
          0
            私は時々、相談者と近くの土手を散歩します。

            それは大体においてとてもいいです。

            外に出ることによって
            体の感覚が優勢になると
            今を生きている感覚が取り戻せるからです。

            焦燥感からくる不安のある人は
            いつも頭が今よりも先を考え過ぎるため
            現在に集中して生きることができません。

            でも外をゆっくり歩いていると
            今その瞬間を体の五感でもって
            自然に感じられます。

            そんな理由で
            特にパニックに陥りやすい状態にある人、
            言い換えると十分に自分を緩める方法を
            見い出す必要のある人に奨めています。

            またそのような状態にあるときは
            呼吸も浅く、常に緊張しているので
            自律神経のバランスも崩れがちですが

            ヒプノセラピー(催眠療法)によって
            呼吸を深めたり、筋肉を緩めて
            深いリラクゼーションを得ることで
            バランスの回復をはかることができます。

            多くの方が
            この方法で薬を必要としなくなりました。

            もともとパニックは
            自分の思考が作っているもの、

            それゆえ
            その恐怖や不安から逃げようとすればするほど
            それは自分の中で大きく膨らんでしまいます。

            それを自分がコントロールできるということを
            頭ではなく感覚で、あるいはこころのレベルで
            そう感じられるようになったとき
            その人はパニックから解放されます。

            そしてそれは
            誰でもそう望めばそうできます。(^^)




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            Calender
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